大日本印刷印刷方式による有機太陽電池を開発
−フィルム基板で世界最高レベルの変換効率を達成−
大日本印刷株式会社(本社:東京社長:北島義俊資本金:1,144億円、以下:DNP)は、フィルムを基板とする有機太陽電池で、世界最高レベルの変換効率7%(*1)を実現する製造技術を開発しました。今回開発したフィルムを基板とする有機太陽電池のセル(発電層)の製造技術は二酸化チタン、有機色素、電解質溶液を組み合わせた色素増感太陽電池(*2)向けのもので、印刷技術を活用したDNPの独自の転写技術を用いることで、高い変換効率を達成しました。また、電解質もゲル状にすることで、電解質の形成も印刷方式を取り入れ、生産性の高い製造技術を確立しました。
【背景】
現在の太陽電池は、発電層にシリコンを使用し、ガラス基板上に発電層を形成したタイプが主流となっていますが、さらなる普及に向けて、低コスト化や軽量化が求められています。そこで、高価で重量のあるガラスやシリコンを使用せず、フィルムを基板とする色素増感太陽電池が注目され、開発が進められてきました。
しかし、フィルムを基板とする太陽電池は耐熱性が低く、高熱処理が必要な発電層の形成には不向きで、高い発電性能が実現できませんでした。また、これまで電解質の形成は、真空状態にする特殊な装置が必要なことから、より生産性の高い製造技術が求められていました。
【フィルム型色素増感太陽電池の特長】
・耐熱基材である金属箔上であらかじめ発電層を高熱処理し、その発電層をフィルム基板に転写するという独自の転写技術によって、耐熱性の問題を解決し、フィルム基板の太陽電池としては世界最高レベルの変換効率を達成しました。
・電解液をゲル状にすることにより、ロール状に巻き取られたフィルムに電解液を印刷して、電解質を形成する方式としたため、真空装置を用いることなく、生産性の高い製造が可能となります。
・フィルムを基板にすることで軽量化を実現するとともに、有機色素部分を、さまざまな色やパターンで形成することができます。人目に触れても良い、綺麗な意匠が施せるため、屋内の壁紙など今までにない用途への展開が可能になります。
【今後の展開と売上目標】
・DNPは、今回開発した有機太陽電池において、変換効率などのさらなる性能向上と、より効率的な製造技術の開発を進めていく予定です。
・2008年度中にサンプル出荷し、2010年に7億円の売上を見込んでいます。
(*1)変換効率について
DNPの社内評価によるもの評価機名;分光計器製 CFP2000
(*2)色素増感型太陽電池について
二酸化チタン、有機色素、電解質溶液を組み合わせた太陽電池のこと。材料が安価で、製造が簡単なことから、シリコン系電池よりも大幅な低コスト化が見込まれ、次世代の太陽電池として研究開発が活発化している。